転職しようと思い立つものの、断念してしまうことはないでしょうか?
自分自身、はじめての転職のとき考え込み過ぎて「10年後のキャリアプランみたいな大層なものはない」「本心からやりたいことがわからない」など転職のハードルを上げてしまい、この状態からなかなか抜けられませんでした。
10年後のキャリアプランを立てるよりも、偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという「計画的偶発性理論」があります。自分自身の転職体験談を踏まえて、この理論について解釈してみます。
- 計画的偶発性理論は、偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうというキャリア論。
- 未来に希望をもち、学ぶことで自己の可能性を拡げ、行動し続け、変化を楽しむ。その過程でチャンスをつかめる。
- 一人で考え込み過ぎず、行動しながら考えることで、当初の自分より成長した視点で意思決定できる。
転職活動
転職のきっかけと結果
フリーランス時代、週5で常駐先に勤務しており、正社員の人ほど会社にコミットしている訳でもなく、イメージしていたフリーランスほど自由な訳でもなく、キャリアを考える時期がありました。
一人で考え込み過ぎず、行動しながら考え、偶然のチャンスをつかみ、当初想定していなかったITメガベンチャーの人材サービス事業に転職しました。
サッカーを中心とした地方創生をしたい
当初は、イメージしていたフリーランスに近づくため、週3常駐勤務で他の時間を使って自分で案件を獲得することを模索していました。そんな折、偶然Jリーグのデジタルマーケティング求人がディスプレイ広告で目に入り、サッカー部だったこともあり興味を持ちました。
直ぐにサッカー中心にスポーツビジネスの本を数冊読み「サッカーを中心とした地方創生」で夢ある仕事をしたいと考えるようになりました。結局、データ活用ではなくデータ基盤を整えるエンジニア寄りの人材が求められていることを確認でき、断念したのですが。
ただ、この過程で、Jリーグも当初はベンチャー事業で反対も多かったことを知り、ベンチャー精神をもって、仲間と世の中の「不」を解決する夢ある仕事をしたい気持ちが強くなっていたと思います。
Fintechでお金の制約を減らしたい
フリーランスより正社員になろうと決めたので、転職サイトで自分のプロフィールに興味をもっていただいた企業の中からFintechに興味をもちました。銀行員だったことと、身近に保険の「不」を感じることが多いことからです。
身近な人の保険の話を聞く機会が増え、金融機関やFPに勧められた保険に入っているけれど、最適だと思わないことが多々あります。金融庁も「外貨建ての貯蓄性保険」について是正指導しています。
参考 金融庁が生保に怒りの鉄槌!節税・外貨建て保険に「是正指導」DIAMOND online「真にお客様のためになる金融商品を提案することでお金の制約を減らし、人の行動する可能性を拡げたい」という思いから、Fintechベンチャー企業に転職しようとほぼ決めていました。
人材サービスで働き方の「不」を解決したい
仕事を選べるせっかくの機会だからと、ITメガベンチャーの人材サービス事業の話を聴きに行きました。
「新卒で情報が少ないなか入社してフィットしなくても定年まで勤め上げる」「仕事に満足している人が少ないのに転職が少ない」「仕事にフィットするかは運もある」など、自分自身が模索してきたからこそ、働き方の「不」に強く共感し、もっと人材の流動性が増えて自分にフィットする仕事をする人を増やしたいと思いました。
最終、お金よりも働き方のほうが、直接人を幸せにできると考え、ITメガベンチャーの人材サービス事業に転職を決断しました。
転職活動まとめ
- 週5常駐フリーランスから週3常駐+自分で案件獲得するフリーランスを模索
- サッカーを中心とした地方創生をしたい
- Fintechでお金の制約を減らしたい
- 人材サービスで働き方の「不」を解決したい
人に会ったり、本やネットで調べたり、行動しながら考えていたら、当初想定していなかった人材サービスに転職していました。スポーツビジネス、Fintechにも詳しくなり、将来の可能性も拡がりました。
この転職活動経験から「計画的偶発性理論」について解釈してみます。
計画的偶発性理論とは

計画的偶発性理論は、20世紀末にスタンフォード大学のJ.D.クランボルツ教授によって提唱されたキャリア論です。将来のキャリアプランを描いて、一歩ずつ積み上げていくという従来のキャリア論が、変化の激しい時代に合わなくなってきた背景があります。
個人のキャリアの80%は予想しない偶発的なことによって決定されます。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方です。
具体的には、どうすればいいのでしょうか?5つの行動指針があります。
- 好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること
- 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
- 楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
- 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
- 冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
自分自身の転職活動経験から「未来に希望をもち、学ぶことで自己の可能性を拡げ、行動し続け、変化を楽しむ、その過程でチャンスをつかめる」と解釈しています。
そして、一人で考え込み過ぎず、行動しながら考えることで、当初の自分より成長した視点で意思決定できると思っています。
さいごに
自分自身の転職活動経験から、計画的偶発性理論について解釈しました。もし、昔の自分のように、「やりたいこと探し」で考え込み過ぎて、解決できない人がいたら、小さな行動の一歩から始めてみるのはいかがでしょうか。
最後に、「計画的偶発性理論」提唱者の著書から、印象に残っている言葉を引用します。
みなさんには、今後一切キャリアに関する意思決定をしないでほしいのです。“キャリアの意思決定”とはひとつの職業へ永遠にかかわり続けるとと解釈することができます。しかし、あなた自身も、あなたを取り巻く環境も常に変化しているときに、ただひとつの道に人生を捧げようとすることはばかげています。自分の将来を今決めるよりも、積極的にチャンスを模索しながら、オープンマインドでいるほうがずっとよいのです。
J.D.クランボルツ/A.S.レヴィン「その幸運は偶然ではないんです!」
同じように、自分の将来や人生の選択に悩みながら行動していった45人のケースから解説されており、「計画的偶発性理論」に共感した方におすすめします!