データアナリストの将来は暗いのか?現役データアナリストが考察

こんにちは、タクロウ(@takuro_109)です!

「データ分析」は職業として(今後も)成り立つのか?の登壇資料で「アナリストの未来は暗い」とありました。

参考 『それでも「データ分析」で仕事をしたい人のためのデータ分析業界長期予報とこれからの選択肢についてv2.2.1_最終_0802更新(3)』しんゆう(データアナリスト)

他人事ではないので、事業会社データアナリスト経験から「データアナリストの将来は暗いのか」考えてみました!

要点
  1. 狭義のデータアナリストの役割の未来は、ビジネスマンのデータスキルが上がればなくなる可能性がある
  2. 広義のデータアナリストは、アナリティクス・トランスレーターとしての役割の需要が増える
  3. 狭義のデータアナリストのキャリア選択肢は広い

データ分析業界長期予報とこれからの選択肢の要点

  • 日本ではデータ活用されないから、データ分析業界そのものがほぼ存在しない。改善する見込みは無く、アナリストとしての未来は暗い
  • それでも「データ分析」で仕事をしたい人はデータ分析に関わる仕事なら選択肢が多い
  • データ分析業界はアナリストとしての活動が中心である人の業界。
  • アナリストは他人が意思決定するために必要なデータ分析を行う人。

データに関わる仕事には未来があり、分析業務だけのアナリストには未来がないは同意します。

ただ、事業会社で行っているデータアナリストの仕事は分析業務だけではなく、データアナリストの将来はデータアナリストの定義次第だと思いました。考察に入る前に、前提として事業会社でのデータアナリスト経験を紹介します。

事業会社データアナリスト経験

大学で統計学に興味をもち、銀行を経て未経験で転職し、事業会社で主にデータアナリストとして働いてきています。

  1. CCCマーケティング:データ組織のデータアナリストとしてマーケティング支援のためのID-POSデータ分析。研究所でAIシステム構築に関与。一時期、非正規社員で定時退社しデータサイエンス学習。
  2. リクルートライフスタイル(フリーランス):アクセス解析エンジニアとして、WEBサイトのデータ計測のためのタグ実装やCV改善のためのモニタリング・ダッシュボード作成。
  3. LINE:事業組織のデータアナリストとして、新規事業立ち上げ時のデータ設計・整備、モニタリング・ダッシュボード作成や機械学習エンジニアとレコメンドエンジンの開発。

純粋なデータ分析好きのデータアナリストではなく、手段よりも目的達成を優先するビジネス寄りのデータアナリストです。

データアナリストの定義を考えるのに、データに関わる職種を概観します。

データに関わる職種全体像

データ活用の目的は、意思決定の成功確率を上げて前に進むことだと考えているので、データ職を分類する1つの軸は意思決定の主体です。がするのか、AmazonやYoutubeなどのレコメンドのように機械がするのかです。もうひとつの軸はビジネス/エンジニアリングです。

一般的に、データサイエンティストについて、ビジネス・サイエンス・エンジニアリングの3つのスキルで説明されますが、サイエンティスト(科学者)という言葉の意味どおり、ビジネスよりデータをサイエンスすることが主目的な職業であるとします。求人情報では、データサイエンティストは機械学習エンジニアに近いと感じます。

ビジネスの世界のデータ職を以下の通り定義します。

  • データエンジニア:データアナリストや機械学習エンジニアがデータを使えるように基盤を整える。
  • データアナリスト:データを分析して意思決定者に情報を提供する。WEBアナリストも含む
  • データドリブン○○:データドリブンで企画したりマーケティングしたりする。
  • データコンサルタント:データ分析結果の情報を使って意思決定者にアドバイスする。
  • 機械学習エンジニア:機械学習システムを開発する。
  • アナリティクス・トランスレーター:ビジネスを機械が意思決定できるように翻訳する。

次に、実務経験からデータアナリストの定義について考えます。

データアナリストの定義

狭義のデータアナリスト

データを分析して意思決定者に情報を提供することが目的です。分析要件定義をし、データ抽出し、データ加工することでデータを情報に変えます(図中赤枠)。データ加工には2種類あると考えますが、たいていLevel1で済みます。

  • Level1:クロス集計を駆使してデータを見やすくする
  • Level2:統計解析やモデリングなどを使い厳密性を担保する

SQLなどでデータ抽出し、BIツールやアクセス解析ツールを使いこなして、ダッシュボードを作り定常モニタリングできるようにし、足りない部分をアドホック分析して、意思決定者にデーターストーリーを語れることが重要です。

広義のデータアナリスト

狭義のデータアナリストのスキルをベースとし、以下の3つの目的にも関わっていきます。現在、事業会社で行っているデータアナリストの役割です。

  1. ビジネス要件定義を行い、クロス集計など基礎分析から仮説を立て、適切な分析手法(統計解析、モデリングなど)を選択し、検証するサイクルを回し、有益な知見からビジネス意思決定に関わっていく。
  2. ビジネストランスレーターとして、機械学習システム構築のため、ビジネス要件を定義し、ビジネス問題を機械学習で解く問題に翻訳して、プロジェクトを推進する。
  3. データを設計・整備しデータ分析できる環境を整える。

1つ目について補足すると、意思決定者にとってシンプルでわかりやすい情報のほうがいいと思っているので、意思決定者がデータ分析に詳しいか、自分でビジネス要件定義をやるときに、統計解析やモデリングなどを使うことを検討すべきかと考えています。

データアナリストの展望

一般的にデータ関連分析人材の需要は伸びていくと言われているが、人が意思決定する領域ではなく、機械が意思決定する領域だと考えています。さらにデータモデルの構築から徐々にデータの活用戦略の重要性が増すと言われているように、アナリティクス・トランスレーターとしての役割が重要になっていくと考えています。

AIプロジェクト成功のために!アナリティクス・トランスレーター

狭義のデータアナリストとしての役割が残るかは、企画やマーケティングなどの人がデータスキルを伸ばすかに左右されると思います。狭義のデータアナリストへの参入障壁は低く、代替可能性が高いと考えているので、ツールがますます便利になり、ビジネスマンのデータスキルが上がったら不要になり、分析というよりはデータ抽出屋になるかもしれません。

参考 2019年度の国内データ分析関連人材規模は6万人超--矢野経済研究所調べZDNet Jpan

データアナリストのキャリア

事業会社で未経験から、マネジメントではなく、できる仕事を増やしていくことを想定します。まずは狭義のデータアナリストになります。

  1. データ抽出屋:データアナリストの下、指示通りに言われたデータを正しく抽出し、加工しながら、データアナリストの分析要件定義の仕方を盗んでいく。
  2. 狭義のデータアナリスト:分析要件定義、データストーリーで語ることに磨きをかける。

その後は、狭義のデータアナリストのスキルをベースに、その時の自分の興味で拡げていきます。キャリア観として、10年後のキャリアプランを立てるよりも、偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという計画的偶発性理論が根底にあります。

  • 人の意思決定領域を拡げる:関わっている案件のビジネスドメイン知識を磨き、ビジネス要件定義しながら統計解析などのスキルも伸ばしていく
  • 機械の意思決定領域に拡げる :関わっている案件のビジネスドメイン知識を磨き、機械学習の知識を身につけアナリティクス・トランスレーターとしての役割
  • データエンジニアリングの領域を拡げる
  • 機械学習、エンジニアリングスキルを伸ばし、機械学習エンジニア
  • データサイエンスの研究をする
  • データはスキルとして違う職種に就く
行動しながら考える転職活動!計画的偶発性理論

さいごに

狭義のデータアナリストの未来は暗いが、広義のデータアナリストの未来は明るいと考えました。狭義のデータアナリストも選択肢が広く、データ人材の入口としてオススメします。

詳しいデータ分析のキャリアはこちら


※銀行から29歳で未経験で転職してから、アルバイトしたりフリーランスしたり正社員に戻ったり、考え行動してきたことをプロフィールにまとめました。